オヤジの戯れ〜感想・鑑賞・実践録〜

本、趣味、映画やドラマ、エトセトラ・・・感想・鑑賞録・実践録

「ある男」

www.youtube.comなかなか考えさせる映画だった

 

 本日は「ある男」をみてきた

 妻夫木くん演じる弁護士、「ある男」を演じる窪田くん、その妻役の安藤サクラさん、演技派たちが織りなすミステリー?ヒューマン?なドラマ。

 

 ちらほらと泣くようなすする音がしたりもした映画館。

わたし的には泣けるドラマではないのだが・・・。

 

 ただ、考えさせるドラマだなと思った。過去を消したい、自分の出生を隠したい、呪う過去と決別するために「他人」になった人たち・・・

 

 過去の出来事のトラウマ、差別、出生による差別、変えたくても変えられない運命というかそんな問題が渦巻いた作品だと思う。

 

 誰しもが消したい黒歴史はあるのかもしれない、ただ、出生による歴史は本人が消したくても消えないもの。それを消すために選んだ生き方。

 

 それが「ある男」の人生だった。そして、彼は幸せになった3年9ヶ月の間。

 

 ある男を突き止めていく弁護士さん、その過程で重なる自分と「ある男」の出生による苦悩。晒される差別的言葉。

 

 そして、誰もが思い描くことがあるだろう、違う人生や生き方。そいう共感できる部分もありながら、世の中のいろんな差別に苦しむ人たちがいることも考えさせられた。

 

 単純に面白いとかそんな批評ではないけども、実に感慨深い映画なのは確かだ。

 

 妻夫木くん演じる弁護士には、少しかわいそうなエンディングだった。小説の終わりとは違う演出になっているけど、そうしたくなるかと思う終わり方ではある。

 

 やはり、映画だけでは描けない部分が小説に書いてあるので、今度、じっくり読んでみたいと思う。

 

 もし。自分が別人になるとしたら、どんなふうに生きたいだろう思わせる映画だった。

 

 窪田くんの演技は本当に良かったし、サクラさんも自然な涙、親子で共演の柄本さんの怪優ぶりも良かった。

 

 ただ・・・真木よう子さんだけはなんか浮いてるんだよね。最近、特に演技が下手というか、発声が悪いのかなんなのか、彼女の演技には感情移入できない感があるな。

(最近、韓国雑誌かなんかで問題発言したらしいけど、この映画のせいなのかな?それともパッチギ?)

 

 あとは、非常に俳優陣の演技は素晴らしいと思えたのだ。